さりげなくニュースNo.308

「アメリカの産業建て直しへの序曲」

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 今月の19日、アメリカ国務省のイラン担当官が来日した。

 日本政府や日本企業が、イランに対して投資を手控えるように、との進言と見られている。

 オバマ前大統領が苦労して築きあげてきた、イラン核合意をトランプはいとも易々と葬り去ったことをうけてのものであった。

 アメリカとの同盟国の中でも一番のイエスマンになったわが国は、アメリカの要求を受けざるをえない。

 イランの一触即発の敵は、イスラエルである。アメリカという国はイスラエルに完璧に浸透されている国でもある。一緒になって悪事を働くことに神経が麻痺している両国である。

 言葉を変えて言うならば、アメリカとイスラエルの凋落には類似性がある。全人類の平等や、国際的な適法性といった普遍的カテゴリーで、ものごとを考えられなくなってきているということである。

 アメリカ大統領トランプは、特異な個性であるとの、一字では片付け得ない必然を含んでいる可能性がある。

 トランプはかろうじてロシアン疑惑に勝利した。違いは、ジョン・エフ・ケネディの若さゆえの戦略のなさ、一方のトランプは、老練さゆえのしたたかさ、骨を切らせてでも仕留める大胆さが随所に散見された。

 北朝鮮関連では、戦争までは望まない軍産に、震え上がらんばかりの揺さぶりをかけ、主導権を握り、自己の政策を着実に遂行していく。

 また、軍事と覇権を栄養源としている軍産の巻き返しを予想しているかのようにキム・ジョンウンとのホットライン創設をなす。

 トランプという大統領は、この時期に出るうべくして出てきた。イラク戦争の敗北が、いまだ重く圧し掛かっていると見るべきだ。

 イラク戦争の本質は、資源、人口、潜在的工業力すべてが揃っているユーラシアにおける、アメリカの軍事力を使っての巻き返しであった。輸出力の強いヨーロッパ、資源力の宝庫であるロシアは、独自に民主主義を育んでいける。アメリカに焦りがないといったら嘘になる。

 膨大な工業赤字をかかえ、それに見合う外国資本を導入しないとやってはいけない他国依存の国になってしまっている。

 それではと今後生産性を上げ、産業の建て直しと、技術革新にまい進するのか、できるのか、それとも、軍事行動によって世界の資源の源を、確実に支配して、アメリカは世界の秩序に必要な国だとの行動をセレクトするのか。

 ヨーロッパはもはや、競争の根底を軍事には置かず、経済にあると考えている。アメリカの不安は経済の領域である。

 アメリカ経済の良質な部分は、実は見掛け倒しにすぎなかったとなれば、資本は撤退を始め、ドルは下落し、ついで同盟国の離脱が起きる。

 アメリカの関税にみる保護主義の動きは、今後何十年という月日をかけた産業の建て直しへの序曲と映る。

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