さりげなくニュースNo.301

「世界は問題児アメリカをどう

 躾けていくべきか」By Seimeiwada

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アメリカはまたもや大きな過ちを犯そうとしている。直近では北朝鮮問題である。それ以前にはイラク戦争であった。このイラク戦争に反対をとなえたのはドイツ、シユレーダーである。戦後のアメリカシステムを支えてきた二大生産国、日本とドイツ、その一角が抜けたのだ。

 安全保障の面でドイツの向かう先は必然的にフランスである。ここにいたって、ユーロという金融兵器を取得することになる。この意味するところは瑣末なことではない。深い意味合いを有している。

 ヨーロッパのカネはアメリカに行き、そこで消費され、再度ヨーロッパに戻ってくる。このシステムが変容することもありえる。発展途上国を消費国に転じさせ、ヨーロッパの財政資源を発展途上国に充てることも、ヨーロッパの手の内にありえる。

 アメリカは自国の生産で消費をまかないきれなくなっている。それは膨大な貿易赤字の示しているところでもある。

 メキシコ移民などの同化に失敗し、また極端な水準の不平等感、イデオロギーの面での普遍主義の後退。黒人、ヒスパニックを同化することの失敗。イスラエルをシステムに組み込む反面アラブを排除する。

 このような背景のなか、アメリカは世界から必要とされているのか、それとも必要とされていないのかということを常に確かめるべく、常に動いていないといけない。これは、あせりでもあり、現実直視でもある。それというのも、アメリカの強さの見栄えは実はソ連崩壊による、ただの見せ掛けなのでは、あるいは、経済の現実は、実は、グローバリゼーションの成熟期に伴う巨大資金の流入にしかすぎなかったのではないかと、気づきはじめたことである。

 もっと強烈な不安は、ユーラシア大陸との没交渉への不安である。地球の人口、天然資源、潜在的工業力の大部分が集中するユーラシア大陸。ここに中国の「一帯一路」計画があり、ロシアがあり、ヨーロッパがある。

 以上とのかかわりで見るとき、よく解らなかった北朝鮮への軍事行動を急くアメリカの根底部分が見えてくる。

 北朝鮮の核問題で核の全面廃棄を謳っているのは、アメリカと日本だけである。国連決議ではこれまでの核の保有は認め、今後核の開発を停止すれば国際関係に復帰させるというニュアンスである。

 ここで建設的な提案は昨年の9月、「東方経済フォーラム」でプーチンによってなされた。日本、韓国から北朝鮮を経由した鉄道とパイプライン、これは中国の一帯一路とつながり欧州、ユーラシアに製品が輸出される。

 この提案は、アメリカの挑発にのらず、無視することによる米国はずしが明白である。この案にはわが国も賛成であり、北も反対はしていない。ピョンチャン雪解けから見て、韓国は米韓軍事演習を韓国側から断る公算が強い。ひとまず戦争は回避されそうだ。まちがいなくアメリカは矛先を中東、それもイラクにむけ、イランに実質的に支配されている地の奪還をイスラエルとともになそうとするはずだ。

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