さりげなくニュースNo.291

「わが国を取り巻くアジア」

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 プーチン、ロシア大統領は92日にコメントを発表した。北朝鮮問題に関して大規模な武力衝突になりかねないとの危惧を認め、北に圧力をかけるのは誤りで無益だと断定している。

 これまでプーチンはアメリカがもてあましていたシリア問題にある一定の道筋をつけた実績をもつ。ロシアといえばヨーロッパとの関係が中心課題で、アジアへの関与は遅れていた。いま北問題に正面きって言及し始めたところをみると、アジアへの関心が出てきたかと一瞬思ってしまう。ロシア人の国家的歴史観から押して関心の中心的なものは、領土拡大に尽きる。

 では今回の北によるミサイ発射による挑発の真意は何かということになる。これは中国の思いとも一致するところではあるが、米軍の朝鮮半島からの撤退につきる。それまでには何度でもミサイル発射は続けられるし、核の技術的向上でアメリカを挑発し続けることになる。この揺さぶりに耐えかねたときに韓国駐留米軍2万人の撤退がありえる可能性はある。まだ、アジアの砦としての日本への駐留があるからだ。

 アメリカはイスラエルという国を内部に取り込んでから国際関係において普遍性を喪失しだしてきている。その点ロシアという国は伝統的に特に国内における権威主義を差し引くとしても国際関係にあって普遍的気質の持ち主である。この点が唯一信頼できる点である。また、領土拡張主義を差し引いても。

 トランプ氏の選挙期間中の発言で日本、韓国に核武装させてアメリカの核の保護からはずすというものがあったが現実的ではない。アメリカはユーラシアから排除されかねない不安をかかえながら、それに輪をかけたようにアジアの軍事的拠点を失うことは、政治、軍事で世界に睨みをきかせ、その結果としての、アメリカ繁栄のシステムであるところの、ドル還流システムそのものを失うことになる。

 好都合なことに戦後わが国の共産主義化から守ってくれた恩義に対して、わが国は忠誠を誓っている。その体制がしっかりと官僚システムに反映している。それがあるとき突如として独自外交に投げ出されようものなら面食らってしまう。この面で平和憲法は自分で歩もうとする気概を喪失させ活力のない国家像を惰性的に描き続けてきた。

 戦後二大属国の一つドイツは戦後なぜにアメリカに隷属し続けてきたかの回答はその国民性に求めることができる。ドイツは生来、もっとも強い国に忠誠を尽くす国民性であるからだ。わが国は鎖国の江戸は別として、明治と続く時代は覇気があった。最近では田中角栄から続く小沢-鳩山の一種革命は完璧なまでに潰されたが、それが正しかったのか、それともアメリカのシステムが弱体化し、その反動としてのますますの軍事冒険主義に付き合わされる結果としての、孤立主義への道が待っているのか、それは時間が教えてくれることだ。ただ、わが国民は覇気をもって思考できなくなっているといったインテリ、指導層の弱体化が一番の問題だ。また中央集権の弊害が随所に出始めてきている。地方の思考停止である。

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