さりげなくニュースNo.296

「中東から、わが国とアメリカ」http://yumin.tyo.ne.jp

 

 

 サウジアラビアの国王はサルマンである。その息子であるムハンマドがサウジアラビアの全権を握っている。今この国がホットなのは11月4日におこなわれた宮廷クーデターによるものだ。仕掛けたのは息子ムハンマドの方である。国内の腐敗の撲滅という名目で、名だたる皇子を逮捕したことだ。次の国王への道しるべを磐石なものとする意味がこめられてあるのか。

 一人は次期王位の継承候補である、治安を司っているムタイブ皇子、富豪のワリード皇子、元駐米大使のハンダル皇子、CIAとの関係が深いムハンマド・ビン・ナイーフ皇子を含む11人である。

 一気にこれほどの人物を拘束できるということは、国内がある意味で安定しているからに他ならないと、見るべきか。

 アラブの春運動では影響をこうむらなかった国の一つがサウジアラビアである。東部地区に多く住むシーア派の反体制運動は90年代に収拾をみている。同じく社会主義運動も陰をひそめている。ただスンナ派によるジハード主義は潜在的脅威とみられている。現にシリアには若者が多くでかけアサド排除に従事している。この若者が自国に帰ってきたときの、国内の不安定要因が増す懸念は、否定できない。

 次に国内の不満分子対策はバラマキで押さえつけてきた。しかし、それは石油収入による潤沢な財政による成せる業であった。

 財政の八割を石油に依存する石油価格は現在どうなっているのか。

 WTI石油価格は2014年中はバレル70〜100ドルを推移していた。十分に満足できる水準だ。それが2015年になると40ドルである。2017年には50ドルである。これではとてもやってはいけない水準である。そんななかイエメンではイランとの代理戦争を続けている。いつ終わるとも先行きの見えない泥沼に入り込んでいる。イランとはいつ交戦してもおかしくない触発状態にある。

 イスラエルの天敵といえばイランの意を汲んだヒズボラというレバノンの軍事組織がある。そのパリの都と称された首都ベイルートから首相サアードが誰かからの暗殺を恐れて、サウジアラビアに行ったきり帰ってこない。これがイラン、サウジの関係にイライラを募らせている。

 今回のサウジ宮廷クーデターにイギリスやアメリカはだんまりをきめこんでいるが、はたしてこれを機にサウジ王家の大改造に乗り出すのか、果たして中東での影響力が減退したアメリカはどう動くのか。

 トランプアメリカ大統領のアジア歴訪で習主席との会談を読み解くならば、アメリカの北朝鮮への単独攻撃の可能性はほぼ無くなったと見ていい。アメリカの力の源泉は確実に衰えてきている。そんななかイラク戦争の失敗から再度中東への失地挽回へと踏み出すのか、はなはだ否定的とならざるを得ない。今後、アメリカの不安は、同盟国としてのわが国をどう繋ぎ止めておけるかにある。要は、商品と、財貨を吸い上げるが、それに変わりうる等価な財を供給することができるかにかかっている。 

アメリカとの関係では経験を積み、現政権も賢くなってきているというのが実態であろう。

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