さりげなくニュースNo.253

「ハードランデングへカウントダウン中国」

 

 

中国の経済指標が良くない。この8月に中国人民元は2%切り下げられた。これは、わが国やヨーロッパを初めとする国々で通貨競争の役者が勢ぞろいしたといった感じだ。

 資本逃避が止まらない中国に対してわが国の黒田日銀総裁は、資本規制の手段を伝授するような発言をしていた。それ程までに中国の元は信用を失いつつある。国内の輸出業者はドルを自国通貨である元に変えずにドルのままに保有するといった動きにでている。このことは、外貨準備金の減少圧力となる。

 中国の国内総生産約1,000兆円に対して外貨準備高のセーフティ水準は約330兆円と言われてている。昨年12月末現在の残高は約400兆円である。危険水域に近づいてきている。この400兆円は1年前に比べて約13兆円減らしている。それは、数字的には12月に行われた市場介入に約17兆円費やされたものと無縁ではあるまい。

 資本の逃避は一昨年に比べて7倍にも上り、その数字は約121兆円である。

 中国への直接投資は2014年頃から拍車がかかりわが国のそれは、前年比38.8%マイナスとなっており、アメリカにあっては20.6%のマイナス、アセアンで23.8%、ヨーロッパはかろうじて5.3%マイナスにおさまっている。とくにイギリスと韓国が中国に対して目線が暖かである。

 そのイギリスといえば、イングランド銀行を潰した男という異名を持つファンドの創設者にして投資家ジョージ・ソロス氏などは、中国株の大暴落前に、ほとんどの持ち株を売り抜けている。このソロス氏が中国経済についてはもっとも厳しい見方をしている。中国経済はもはやハードランディングしかないと断言している。中国当局は強力に否定している。

 わが国の元財務官僚にして小泉政権時の経済ブレーンの一人であった高橋洋一氏は資本の自由化と国有企業の改革は一党独裁体制にそぐわないと見ている。それは、社会主義と資本主義のミックス経済の矛盾が一気に噴出したととらえている。ジョージ・ソロスの見方は、そんなところに留まらない絶望的な見方である。すなわち、経済政策に失敗した中国が権力を維持するために取る手法は、外部との紛争を作り出すというものだ。外国政府を転覆させる荒業師という一面を持つソロスならでわのリアリズムである。

 中国政府がかたくなに否定することに、債務比率が対GDP比300%というものがある。中国の場合経済指標は信用するには憚れる面が大きい中、信用できる指標を独自に推測しなければならないといった作業がつきまとう。

 特別引き出し権(SDR)の構成通貨となったばかりの人民元「自由に変換可能である通貨」という大前提から乖離することになる規制された通貨に人民元がなったら、人民元の流通は阻害されることになる。また世界通貨の足がかりとなる可能性のあるAIIBの成功もおぼつかなくなる。格付けのないAIIBにはたして、どれだけの国が出資するのだろうか。今のところ韓国とイギリスは、イエスマンであろうが、さて、どれだけが続くか見ものである。

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