中国がデバリューションに舵を切るとき



 

K.Wada 2015.2.15

さりげなくニュースNo.229

製造業で立ち行かなくなったアメリカがとった手段は、世界の金融をウォールストリートに集めるシステムの構築であった。

 まだ地球という空間に新たな投資先を見出す手法をグローバリズムというイデオロギーで、その活路を見出そうとしてきたし現在も完全にはその手法を捨ててはいない。

 現在、中央銀行のバランスシートは真っ黒に汚れ破産している。もはや独自の手法ではインフレを呼び込むことが出来ないような局面に陥っているアメリカ。ただ、助け舟は、わが国のアベノミクスやヨーロッパの1.1兆ドルの量的緩和政策の決定があった。相対的にドルの価値を高めてくれている。

 アメリカは、3年ごとにバブルを起こしては、バブルが崩壊することを繰り返さないと、人口呼吸器が外れてしまうところにいる。雇用状況が悪化すれば、あらゆる刺激策をとって雇用状況の改善に精を出さなければいけない。必然にバブル状態を作り出さないといけない。やがてバブルは弾ける運命にあるから、そのときは、税金で銀行を救済はするが、雇用者はリストラの憂き目に合い、どん底の生活を強いられる。だから再度バブルを求めてあらゆる施策をすることになる。この間政治変動がめまぐるしく行われることになる。

 他国を踏み台にする手法が見つかれば、バブルとその崩壊という輪廻から解放されることになるが、そんなエゴは通用しづらくなってきている。

 ヨーロッパのデフレはマイナス0.6%である。イギリスやアメリカにかつてのような消費の力はない。インフレを引き起こす手段すら使い果たしてしまった状況である。

 ヨーロッパの10年物国債の利回りが0.31%である。14世紀より低い水準である。前代未聞である。利潤率は長期国債利回りに収斂するといわれているが、低利回りの意味するところは、資本主義の命である、まともな投資先がないことを意味している。

 ここにやがてバブルが弾けるであろう中国の登場である。

 中国は、政治的一党独裁体制をとっている。その正当性は何もない。ということは、いつ倒されてもおかしくはないという矛盾をかかえている。雇用問題にナーバスにならざるを得ない理由がある。

 失業率は中国当局の見方によれば、4.1%である。IMFの見方では6.3%である。

 今月の初旬に驚くべき発表がなされた。中国にとって外貨準備高は重要な最後のカードである。それを50ポイント、19.5〜20%切り崩して工場や製造業のてこ入れに当てるというものだ。

 中国元はドルにぺックしているため強くなっている。わが国のアベノミクスが始まって以来元は15.7円、17.2円、19.3円と20%も上昇している。

 中国は、今後デバリューション政策により、ダンピングで世界に殴り込みをすべくスタンバイしている。デフレの世界への輸出である。

 わが国のバブルが弾けたとき、上向きの元気なBRICSという緩衝帯があった。だが今はない。中国バブルが弾けた時の、世界に与える深刻度は、わが国の比ではない


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