2015.12月

リアリストの目

我が国の平和憲法は、修正の方向を歩む。
アメリカは、憲法の1つの章で牙を抜くことに成功した。歴史的に希有なことだ。
本題
歴史上、敵国を無害にするには、宗教化する手法が取られた。おとなしい国にするには、有効な手法の一つであった。
ところで、アメリカは、日本国憲法1つの章で、牙を抜いてしまった。この成功は、歴史上、余り例のない希有なことであろう。これは、我が国に特有なことなのであろか。
多分そうであろう。
アメリカは、冷戦時、我が国を軍事化し、スケットとして、利用することが出来たはずだ。ましてや、朝鮮戦争のときは、なおさらだったはずだ。しかし、しなかった。
アメリカと我が国の国力の差からいって我が国の軍事化を恐れたとは考えられない。
天皇制と引き換えに、我が国は、牙を抜いた。
アメリカは、我が国が牙を取り戻すことを許すであろうか。ありえる。
それは、アメリカの覇権衰退との比例関係にあり得るような気がする。
世界の覇権がイギリスからアメリカに移ったようには、すんなりはいかないであろうから、アメリカは、とことん、踏ん張るであろう。その時、軍備化を完了した我が国の出番であらう。
そういう観点から、現在の平和憲法は、修正の方向を歩むものと考えられる。

by seimei wada.

Opinion From North 
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リアリストの目2015.12.22

12月15日にケリー国務長官はヌーランド国務次官補を同伴して訪ロした。

中東を破壊しまくって二進も三進もいかなくなったアメリカはその最終的安定化策をロシアに委ねようとしているかのようだ。ヌーランド氏といえば、ウクライナ混沌の仕掛け人であり、あわよくばロシア本体を弱体化して分割でもできればと考えているような勢力の行動隊長のような人物である。

迎えるプーチンは、そんな人物とのご対面でも握手を求める。ヌーランド氏は、相当にバツが悪かろう。

シリア内戦終結に関する国連安全保障理事会ではロシア案にアメリカは賛成して可決されている。2016年はロシアが大きく存在感を発揮して中東の和平は進展しそうな方向にある。

わが国にとって隣人である中国の動向は気になるところだ。それを占うには、キッシンジャー氏が中国をどう見るかだ。政府の執行部がどうかではなくて、あくまでもキッシンジャー氏がどう見るかである。中国と国交を取り結んだニクソン政権での当時の国務長官キッシンジャー氏である。

か弱かった中国への視線が暖かかったのは、中国が市場として魅力ある土地であったからだ。それはほかでもなく投資をするのに育てがいのある土地であったからだ。アメリカに楯突こうが、大国になろうが、いっこうにかまわない。アメリカの資本家を儲けさせてくれる限りにおいて中国はかわいい国なのだ。キッシンジャー氏の腹の中はそれに限るであろう。小難しい論理を駆使して辺りを煙に巻く頭脳とは、意外にシンプルで忠誠心豊富な人物像がかくされているものだ。

軍事力が超肥大化している覇権国家アメリカは、覇権衰退サイクルに入ってきている。その時期には、悪あがきの相当な悪さをしだす可能性がある。それを把握しながらうまく付き合う限りにおいては国益にかなうはずだ。

小泉政権のプードル以下のへりくだりは、反吐がでるようなものではあったが、安倍政権は、完璧なイエスマンになってはいるが、反吐がでるようではないので、少しはましであろうか。大きくは見間違えてはいないであろう。By seimei wada.

[pinion From North Japan]
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リアリストの目2015.12.16
銀行に就職するのは、いい選択か。
ゼロ金利は銀行の収益にダメージとなる。
欧米の銀行は冬の時代に突入した。
銀行の生き延びはベイルアウトからベイルインへと向かう。
アベノミクスの金融緩和は金融機関に凱旋歌をかなでらせる実体のない幻想即興曲であるにすぎなかった。

本文

ゼロ金利が長く続くと銀行を初めとする金融機関は苦しくなってしまう。
欧米の大手銀行11行は、従業員の1割にあたる10万人を解雇している。
銀行冬の時代は確実に近づいてきている。
債権金融システムは、「信用」を金に換えるシステムではある。だが実態は、リーマン危機のときにサブプライムローンという詐欺まがいの商法を臆面もなくやり続けた。いまジャンク債が崩れ始めている。これが、FRBの金利上げとからまって、金融危機につらなるのではないかという危機感が囁かれだしている。

金融機関を救うための金利上げが、金融機関の崩壊へと連なりかねない。進むも地獄、留まるも地獄といった状況だ。

サウジは石油の増産体制をきめこみ、シェールガスの債権がジャンク化する戦いにいどんでいる。それにロシアやイランは石油価格の低迷で苦しいながら、サウジを支持し続けている。

欧米の法制化は、政府がつぶれそうな銀行を面倒をみるベイルアウト方式を辞めて、ベイルインという株主や預金者に転化する方向に舵を取り始めている。これは、銀行を信用しなくなることに拍車がかかり始める。銀行の衰退に拍車がかかることになる。

リーマン危機のときは各国の政府に、まだ余裕があった。しかし今のわが国の状況は、日銀は国債のすべてを引き受け、もうなにも引き受けることのできない倒産最右翼の銀行に成り果てている。7年間のQEという量的緩和政策は、末期のイロウで栄養分を吸収し続けている患者のようなものである。黒田日銀総裁は、安部首相に言われるままにやりつづけるは、自分の代で日銀の崩壊という悪しき最後の総裁になりかねないと、なんだか気づき始めたような雰囲気である。

若者が銀行に就職するのはどうのこうのというお節介をいうなどとは言語道断ではあるが、
そうとう厳しい局面がにじり寄っているのは確かなようだ。

 

By K.Wada